ご覧のページは、これまでのコンソーシアムのホームページを活用し、コンソーシアムの活動記録や資料等をアーカイブ化したものになります。

たくさんの大切なヒントを得て・・・

事務局ブログ

 先日、東京文化財研究所 無形文化遺産部の研究協議会「記憶・記録を伝承する-災害と無形の民俗文化-」を傍聴してきました。
東日本大震災を機に、伝統芸能などの無形民俗文化財に関わる記録資料を収集する活動を展開していくにあたって、無形の文化をどのように記録し、その記録を後世にどのように伝えていくかを考えて討議していく協議会でした。


 非常に内容の濃い、いろいろと考えさせられる一日でした。このコンソーシアムを進めていくにあたっての大切なヒントもたくさん含まれていました。


 岩手県の市民グループ「ふるさと岩手の芸能とくらし研究会」の飯坂真紀さんは、「記録は経験者自らの手で書くことも大切」と、被災地で伝統芸能に関わっている方自身に原稿を依頼し、それらをまとめて「とりら 第6号」を発刊されました。
多くの場合、被災地の方々は、聞かれる側、取材される側と受け身になりがちですが、当事者が体験を直に伝えることで、内容の正確さが得られ、自分たちの存在価値を再認識することになるとお話されました。コンソーシアムのサイトでご紹介するレポートも、復興推進の活動を実際になさっている方々の声、草の根的活動をなさっている被災地の市民の皆様の声を集めて、積極的に掲載していかなければいけないと感じました。


 また、物事を記録していく時、過去に遡って記録をとっていくことが大事であるというお話も複数の方からありました。震災に関わる活動ということで、物事を捉える時にスタートが震災直後からになってしまいがちですが、震災以前のことから記録していくことが大事であるとの話です。たとえば、村の祭りでも、震災によって鎮魂という新しい意味が付加されたり、村の中で小規模で行われていたものが、注目を浴び規模の大きなものになるといった変化があります。前後の記録が揃っていないと、その変化というものが見落とされてしまい、その変化から生じる意味を伝えることもできなくなるということだと思います。


 そして、連携することの重要性も随所で語られておりました。それぞれの分野での活動、それぞれの地域での活動が連携することでお互いの不足を補い合い、情報を共有していくことで相乗効果を生み出すことができます。連携が、ネットワークづくりが必要で大事であるが、それをどう実現していくか。そして、それこそが当コンソーシアムの重要な役割でもあることを痛感しました。


 今は東日本大震災のこともあり、いろいろな問題が東日本大震災の被災地からスタートしていますが、問題は被災地だけではなく、日本全国のことであることも忘れてはならないと思いました。もちろん、コンソーシアムの活動も被災地の復興推進からスタートし日本全国にお役にたてるものにすすめていけたらと思います。 (の)


 

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