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邦楽体験学習同行取材から

文化芸術による復興推進コンソーシアム エグゼクティヴ・コーディネーター
渡辺 一雄

文化芸術による復興推進コンソーシアムの賛同団体である公益社団法人日本尺八連盟(会長坂田誠山)は、25年度に引き続き被災地復興支援として尺八の音楽を子どもたちに届け尺八演奏を実際に体験することを通じて、心の癒し、支えとなるよう願い学校訪問活動を展開している。 今回は、釜石市立平田小学校において体験学習が実現することとなり、7月8~9日にかけて上記団体の会長自らが同校を訪問。その様子を以下の通り概要報告する。


学校の概要と被災、復興の現状等
 平田小学校は釜石港を臨む丘陵地から南西部に入ったアパート・住宅地(ニュータウン)域を校区とする伝統校(創立は明治8年)である。在籍児童数は174人(各学年単学級、26年4月)の小規模校である。 海抜9メートルに位置し、被災時の津波は玄関まで来たが津波の進路からは外れたことや国道が防潮の役割を果たし校舎の浸水は免れた。児童の犠牲者もなかった。 現在釜石市街地の復興計画が固まり、文化ホールを含む公共便益施設の建設着工も見えてきた。 



体験学習
 音楽の授業(1コマ45分)を使い5年生34人、6年生24人を対象に体験学習を実施。 尺八奏者坂田誠山会長から、上記のとおり今回の学校訪問の趣旨について説明があり、①春の海(箏奏者小林道恵/オーラJメンバー、プロ)の伴奏)、②さくら変奏曲(箏ソロ)、③ジブリのアニメテーマ曲演奏(尺八ソロ)の模範演奏の後、「尺八教則」と「塩ビ管(尺八)」を各自が手にし尺八体験を味わった。 歌口に唇を当てながらもなかなか音が出ない。しかし、慣れるほどに数名の児童の口元から微音が漏れ、周りの児童から歓声が上がる。



邦楽の生演奏は全く初めての経験ということもあり、箏演奏者の指の運びに食い入るような視線を送る姿、特に児童のなかに取り分けメロディーに合わせ体を揺するなど尺八演奏に興味ありげに耳を傾けている様子には感動させられるものがあった。  「国際化時代を迎え君たちの中には将来外国で仕事をする人も出てくることでしょう。そうした時に日本の文化を身に付けているとその力を高める効果があると思います。同行した渡辺さんは中国でその体験をされた方で、間違いのないこと。興味・関心を持った人、更に吹いてみたいと思った時には是非に今回の経験をばねに、音楽の先生方の協力も得て音を出して楽しんでください。」との会長からのコメントが加えられた。 児童代表で6年生の男子からこの点を踏まえ、最後に御礼の挨拶を頂戴した。

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プロフィール

文化芸術による復興推進コンソーシアム エグゼクティヴ・コーディネーター
渡辺 一雄
2004年12月から翌年12月までの1年間、文部科学省からアフガニスタン復興支援(教育省顧問)のためのJICA派遣専門家として首都カブールに滞在。破産国家の復興という国際協力の一環として、イスラム文化という異文化環境において教育基本法・学校教育法等の教育法草案策定、学校建設、女子教育、識字分野の支援プロジェクトに参画。

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