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レポート
GFSC希望の和太鼓プロジェクト -3年間寄り添った子供たち 卒業-

イベントレポート
NPO法人日韓文化交流会 東日本復興支援チームリーダー 宇佐崎敦子
NPO法人日韓文化交流会
東日本復興支援チームリーダー 宇佐崎敦子

2011年4月、震災の混乱と悲しみの中、夢や希望も見いだせず、私服で入学式を迎えざる負えなかった新入生が2014年3月8日(土)16名、雄勝中学校を巣立ちました。
NPO法人日韓文化交流会がGFSC希望の和太鼓プロジェクトとして3年間寄り添った生徒たちの、凛とした中にも心温まる素晴らしい卒業式・卒業をみんなで祝う会が挙行されました。
地元に伝承された“和太鼓”を基に音楽という文化芸術を通した復興推進により子供達の笑顔が輝きました。


卒業式開始前、会場には“伊達の黒船太鼓”の演奏が流れてきました。
2011年KMF2011のオープニング、2012年韓国修学旅行の際に交流を持った三政中学校や、国際的な仁寺洞広場で胸を張って堂々と演奏していた皆の姿が思い浮かびました。
そんな中16名の卒業生が入場しました。


卒業証書授与では校長先生の卒業生一人一人に向ける眼差しとそれを誇らしげに受ける卒業生に互いの信頼と愛情が感じ取れました。


校長先生からの式辞では震災の混乱の中たくましく生きて行こうと仲間と誓い合い国内外の支援を受け前に向けあるきだしたこと。
雄勝和太鼓の1打1打に夢・希望を込めて叩きKMF2011のオープニングを飾って以来、遠くドイツ・韓国でも演奏し、たくましく生きる姿に元気をもらった人も多かったこと。
3年間、太鼓と共に過ごしてきたことが語られた。


「夢を追いかけて下さい。それが支援して下さった方への感謝になる」。そして「故郷雄勝はいつも皆とともにある。更なる飛躍更なる皆の幸せを祈る」と激励されました。
在校生の送辞の中では2012年、当時1年生であった自分たちに韓国での演奏で先輩として教えといたわりを受けたことが冒頭で話され、卒業生の答辞の中にも共に太鼓に向かうなかで仲間と過ごしてきたこと、韓国での温かく迎えてくれた人々との出会いへの感謝、青年交流の想い出が語られました。


父兄を代表しての祝辞の中に、「震災の中、皆さんは生かされた命。命を大切にしてください。」との言葉は会場の皆の心に響きました。
家庭において厳しい仮設住宅生活の中、支え続けてくれた家族の言葉でした。


粛々として式は進み雄勝中学生として最後に歌う校歌斉唱とともに閉会をむかえました。
会場を退場する卒業生の姿には震災後の“新生雄勝”中学生として3年間を終えた成長の姿がありました。


午後に卒業生の手で開催された「卒業をみんなで祝う会」では、校長先生より当法人のGFSC希望の和太鼓プロジェクト支援に対し“東日本大震災以降継続して雄勝中学校生徒の為に格段の尽力をせられ生徒の心豊かな成長を願い復興と教育の振興に寄与されました。”と感謝状をいただきました。


“3年間を振り返って”との卒業生の発表では、ある生徒は“太鼓との出会いが1番の想い出でだった”と、そしてある生徒は“行けると思わなかった韓国に行け、交流を持てたことが最も良い想い出!”と語りました。
そして、卒業生一人一人の当法人への感謝のメッセージが入った素敵な色紙と花束もいただきました。


当法人とワークショップを共に行ってきた地元支援団体であり、卒業生の太鼓指導者の皆さんのお祝いの演奏では、卒業生も飛び入り参加で太鼓の腕前を披露するなど微笑ましいシーンもありました。


そして「太鼓が大好きです。”日韓さんから贈られたねがい~たくましく生きよ~の曲“が大好き」の言葉に続き、雄勝中学生として最後の太鼓演奏が行われました。
当法人が特別に雄勝中学校に贈呈したオリジナル曲“ねがい~たくましく生きよ~”と故郷伝統曲“伊達の黒船太鼓”の響きは聞く人全ての心に力強く、温かく届きました。


太鼓というよりどころを持つことで仲間と共に希望・夢に向かい今は朗らかな微笑みに輝く卒業生の姿がありました。


2014年3月11日

 GFSC主要な活動とプロジェクト >>> http://www.gfsc.asia/gfsc/project.php


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