ご覧のページは、これまでのコンソーシアムのホームページを活用し、コンソーシアムの活動記録や資料等をアーカイブ化したものになります。

レポート
社会包摂型若手オペラ等人材育成事業「歌によるソーシャル・インクルージョン・イン・福島」 東京二期会×藤原歌劇団 夢の共演コンサート

イベントレポート
事務局ブログ

 2015年3月10日(火)、福島県南相馬市において、文化芸術による復興コンソーシアムが協力し、日本を代表するオペラ団体、東京二期会と藤原歌劇団が共演する夢のコンサートが開催されました。コンサートでは、プロの歌声を披露するだけでなく、地元を代表する合唱団、MJC アンサンブルと原町女声合唱団が同じステージに上がるという特別なプログラムが実現しました。また、公演に先立ち、東京二期会、藤原歌劇団の若手オペラ歌手たちによる、数日間に及ぶワークショップが行われ、地元の合唱団が、プロの出演者と共にステージを創り上げるプロセスを体験するという、意義のあるプロジェクトとなりました。


「歌でつなぐ未来への“わ”」ダイジェストビデオ(3分)  本篇ビデオ(27分)はこちら→



【目的・趣旨】


 次代の文化芸術の担い手となる若手オペラ歌手にとって、被災地域で生活する方々と、アートを通じて交流することは、震災がもたらした影響を直に感じることとなり、今後のアーティスト活動に向けて、大変大きな糧となる。合唱王国として、全国に知られている福島県内のアマチュア合唱および次世代の文化芸術の担い手となる児童合唱とともにコーラス・ワークショップを行い、その成果も踏まえた合同コンサートを実施する。合同コンサートには福島県もしくは近隣県ゆかりのトップレベルのオペラ歌手も出演し、共演することにより、文化芸術が持つ社会包摂機能を共有し、オペラ歌手等の人材育成を図りながら、地域振興にも寄与する。


【スケジュール】


2月22日  第1回目のワークショップ【聖愛保育園・ひばり生涯学習センター】


3月 2日   第2回目のワークショップ 原町女声合唱団【南相馬ゆめハット】


3月 3日   都内でワークショップガイダンス【アトリエ・ムジカ】


3月 7日 東京二期会・藤原歌劇団合同練習【芸能花伝舎】


3月 8日 第2回目のワークショップ MJC 【銘醸館】


3月 9日 合同練習・交流会【さくらホール】


3月10日  成果の発表(コンサート公演)【さくらホール】


【文化芸術による復興推進コンソーシアムの協力内容】


1.協力内容
①福島県内の状況調査および会場の選定
②福島県および南相馬市への後援名義申請の事務代行
③下見および都内ガイダンスでの協力等
④コンサートの運営協力
⑤ウェブサイト等での告知


2.映像制作について
 この取組を通して、震災から4年が経過して、それぞれが地域特有の課題を抱える被災地において、文化芸術の役割が復興の過程の中で、どのように機能しているのか。被災地の現在を包括的に捉え、文化芸術の取組を通して「つなぐ」ことの課題や意義を視覚的に訴える映像作品をコンソーシアムで制作した。作品はウェブサイトで公開し、次年度以降は映像で掲載できるものをウェブサイトに取り上げていく。


【プログラム】


program


 


 当コンソーシアムは、東日本大震災の被災地の文化活動・担い手・文化施設の復興のために、活動の分野や立場を超えて、中長期にわたる文化芸術による『心の復興』への支えとしての取組を推進しています。「つどう」「つなぐ」「つたえる」「しらべる」「つづける」をキーワードとして、被災地における文化芸術による復興推進活動を続けています。


 被災地の状況は時とともに変化し、地域によっても異なり、また社会からの関心も薄れ、風化が懸念されています。さらに福島県は、原発事故の影響から帰りたくても帰れないという現状から震災直接死よりも震災関連死が上回るという深刻な事態となっており、地域コミュニティの崩壊が危惧されています。


 


   奇跡のかしまの一本松            復興が進んでいない被災地沿岸部


 そうした中、震災直後から被災者の心に寄り添い勇気づけようとする文化芸術による支援活動が様々な形で行われました。特に近年は、被災者自らが祭り、イベント等を開催するようになり、受動的から能動的な活動にと進化し、被災地からの『心の復興』へと歩み始めています。


 社会包摂(ソーシャル・インクルージョン)とは、人間を孤立させないという意味ですが、このたびは、歌による社会包摂プログラムとして、プロの合唱団と被災を受けたアマチュア合唱団が集い、コンサートを共に創り、被災した人々の心に歌いかけました。震災を受けた地元合唱団の歌声に、プロの合唱が寄り添い、包み込むという、音楽の力でひとつになった演奏であり、出演者も、被災したお客さんも、スタッフも、共に『心の復興』を感じた夢のコンサートでした。


 被災者が音楽の力で少しでも生きる希望を持てるように、音楽を通じて人々の心に寄り添い、被災者自らが『心の復興』の第一歩を踏み出すモチベーションを後押した貴重なモデル事業となりました。


 


  MJCアンサンブル×二期会×藤原歌劇団      原町女声合唱団×二期会×藤原歌劇団



   アンコール『花は咲く』 MJCアンサンブル×原町女声合唱団×二期会×藤原歌劇団

イベント概要
イベント名 社会包摂型若手オペラ等人材育成事業「歌によるソーシャル・インクルージョン・イン・福島」 東京二期会×藤原歌劇団 夢の共演コンサート
開催期間 2015年03月10日(火)
【開場】18時
【開演】18時30分
エリア 東北エリア(福島県)
開催地 福島県
会場 さくらホール(南相馬市鹿島生涯学習センター)
料金 有料
全席自由 500円
問合せ先 リフコム会津 TEL.0242-37-0771
主催 文化庁|公益財団法人東京二期会 
共催 公益財団法人日本オペラ振興会(藤原歌劇団)
後援 南相馬市 | 福島県 | 福島民報社 | 福島民友新聞社 
協力 文化芸術による復興推進コンソーシアム | 株式会社テンポプリモ | 株式会社リフコム会津|【現地協力】MJCアンサンブル|原町女声合唱団