レポート
ふるさとの祭り 2015 in 南相馬

イベントレポート
事務局ブログ

 昨年につづき、福島県の『ふるさとの祭り 2015 in 南相馬』(ふくしまからはじめよう。「地域のたから」伝統芸能継承事業)を取材しました。今年は地元のJAまつりと同時に開催され、JAならではの「食のイベント」から相乗効果が生まれ、賑わいを創出していました。
 時代を超え、震災を乗り越え、福島の人と地域を繋いできた伝統芸能団体が一堂に会しました。震災被害により継承の危機に直面しながらも復活を果たした団体など各地域から20団体が日頃の稽古の成果を披露しました。また、山形県から花笠踊りも参加し、南相馬から福島県の元気を発信していました。
 震災から4年8ヶ月、大切な地域の宝物を失った民俗芸能団体の皆さんが、大きな苦しみを乗り越えようと地域の祭りや伝統芸能活動で頑張っている姿に胸が熱くなりました。


 ■10月31日(土)9:00~14:00


【演目と活動状況】


◆オープニングセレモニー(JA祭と共同実施)
JAそうまの「JAまつり」と「ふるさとの祭」が共同して開会式が行われました。
~おかげさまで20周年、「ありがとう」そして「未来」へ~をテーマにおこなわれ、農産物販売の軽トラ市や数多くの飲食ブースが並びました。また、会場を盛り上げる野菜つかみ取り大会等も開催されました。


◆ふるさとの祭スタート
福島のご当地キャラクター、「キビタン」と「エコたん」。南相馬市のマスコットキャラクター「のまたん」をお迎えしてスタートしました。ふるさとの祭り実行委員長(民俗芸能を継承するふくしまの会・懸田副理事長)が司会を務め、民俗芸能団体の生い立ちや現況、活動を分かりやすく紹介しながら進行していました。


 


 
①大波住吉神社の三匹獅子舞ならびに鬼舞(福島市)
獅子舞に関する文献は一切ありませんが、太鼓の胴に、天保10年張替の文字が記されているところから、それ以前から行われているものと思われます。
舞は、三匹の獅子と道六一人の四人で舞われ、「宮参り」をはじめ9種類の舞があります。昔、流行病があった頃に舞を行い、安全祈願を願ったものと思われています。


②高田神楽(新地町) 
約140年前(明治の初め頃)に相馬市の今田地区から求めたと伝えられています。
岩戸神楽(厄払いの神楽)として地域で親しまれ、現在様々なイベントに参加しています。
太刀と幣束を使い、厄を払い、福を呼ぶ舞です。また、天狗は神の使いであるが、この舞では、時々悪さをする悪役となって楽しませてくれます。また、練習等を通して世代を超えた交流を深め、継承活動も行っています。


      大波住吉神社の三匹獅子舞ならびに鬼舞                                  高田神楽


③北萱浜天狗舞(南相馬市)
およそ170年前(嘉永元年・1848年)に越後から北萱浜へ入植した人たちが、悪魔退散の為に天狗舞を舞ったことに由来すると伝えられています。天狗舞は、から手舞、幣束舞、天狗と獅子の剣舞の順で演じられます。
本来獅子は神さまですが、この神楽では、悪霊の化身となり、天狗が獅子を祓うという珍しい舞です。剣舞では、天狗が刀を持って激しく立ち会う珍しい舞で、平成7年、市指定無形民俗文化財になっています。


④柳津の大神楽(柳津町)
各地に神楽を保存する団体は数多くありますが、大神楽七芸、曲芸を保存し、伝統的な門付けを行っているのはこの会だけです。
大神楽を知らずとも、海老-染ノ助・染太郎の傘回しを中心とした芸は、多くの方々がTV等で見たことがあると思います。彼らの芸を「大神楽(曲芸)と呼び、舞、歌、囃子、寸劇、そして曲芸とまさに民俗芸能の集大成と言える総合芸能が大神楽です。


                          北萱浜天狗舞                                          柳津の大神楽


⑤花笠踊り(山形県)
花笠踊りは、農耕作業の様子を花笠で表現する芸能です。
時には地を這うように低く激しく愉快に踊りまくり、踊りの中に様々な農作業の風景が仕込んでありました。文化団体代表者会議に出席しため、残念ながら鑑賞することができませんでした。


⑥川添の神楽(浪江町)
明治40年頃、修行を積んだ地元神楽の村人に披露したのが始まりとされています。
正月に悪魔祓いや豊年万作の祈願をしながら舞い歩く獅子神楽は、浪江町川添地区の住民に脈々と受け継がれたてきた伝統芸能です。ふるさとの記憶を風化させないために活動を再開させています。


                                  花笠踊り                川添の神楽 


⑦請戸の田植え踊(浪江町)
先人達が豊作と大漁を祈願して毎年2月、くさの神社に奉納を約300年続けてきた郷土芸能です。
他の田植踊にはない南国的な明るい衣装が特徴です。
大震災のため請戸地域は崩壊し、多数の犠牲者が出てしまいましたが、田植え踊を復活させようと全国から支援をいただき平成23年8月復活を遂げ、避難している地区民の心と請戸を繋ぐ「かすがい」の役目を果しています。


 ⑧YOSAKOI(相馬市)
昭和54年、高知の商工会議所が第1回のよさこい祭りを始め、地元に伝わる「よさこい節」をもとに曲と踊りができあがり、現在に至るまで60年以上にわたり高知の伝統祭りとなって、全国に広まっています。静と動を使いこなす、それが演じることだと私たちは考えて演じていました。
民謡という素晴らしい日本の文化を分かり易く踊るYOSAKOI、見て下さるお客さまに、楽しさと笑顔をお届けできるよう、心を込めて踊っています。


                      請戸の田植え踊                                         YOSAKOI 


⑨原釜の神楽(相馬市)
大正十八年の頃から、除厄招福の神事として代々から厳格に守り伝えられてきました。
原釜地域には、津神社なる守護神があり、毎年例祭日を4月第3日曜日定め神興しています。
海浜の遷座、山海の獲物を神前に供え、神楽を奉納する等、原釜全地域を挙げの祭典執行が今に続いています。


⑩下町子供手踊(南相馬市)
南相馬市鹿島区内の鹿島御子神社等で12年毎に行われるお浜下りに奉納する踊りとして伝承されていています。曲目は、二編返し、相馬流れ山など相馬地方の民謡に限らず、伊勢音頭、おばこ、あいや節、八木節など全国に及んでいます。
保存会は、昭和21年に発足し、お浜下りの地、各神社の例祭、遷宮祭の奉納、地域イベントや仮設住宅の慰問等、社会貢献活動にも取り組んでおます。


                         原釜の神楽                    下町子供手踊


地域の祭りや民俗芸能活動が地域コミュニティ形成づくりの根底なっており、ふるさとの祭りでの発表を目標に稽古や継承活動が実践されていることを踏まえ、「民俗芸能を継承するふくしまの会」が主体となって発表する場づくりが必要だと感じました。
今年度「民俗芸能を継承するふくしまの会」が発足し、お昼休みに「伝統芸能代表者交流会」を開催するなど、活動の幅が広がり、伝統芸能団体の活動や課題などを共有する会議となりました。


 

イベント概要
イベント名 ふくしまから はじめよう。「地域のたから」伝統芸能承継事業『ふるさとの祭り 2015 in 南相馬』
開催期間 2015年10月31日(土)~2015年11月01日(日)
10月31日(土)9:30~16:00
11月1日(日)9:30~15:00
エリア 東北エリア(福島県)
開催地 福島県
会場 南相馬ジャスモール(福島県南相馬市原町区大木戸字金場77)
料金 無料
問合せ先 ふるさとの祭り実行委員会 (福島県文化振興課内) TEL: 024-521-7154 (平日8:30~17:15) E-mail: bunka@pref.fukushima.lg.jp
主催 福島県|ふるさとの祭り実行委員会
後援 南相馬市|南相馬市教育委員会|福島民報社|福島民友新聞社|朝日新聞福島総局|朝日新聞福島支局|読売新聞東京本社福島支局|産経新聞福島支局|河北新報社|日本経済新聞社福島支局|時事通信社福島支局|共同通信社福島支局|NHK福島放送局|ラジオ福島|福島テレビ|福島中央テレビ|福島放送|テレビユー福島|ふくしまFM