レポート
写真展『音楽の力-復興コンサート500回の記録-』

イベントレポート
事務局ブログ

【音楽の力による復興センター・東北の趣旨】


東日本大震災から2週間後、仙台フィルハーモニー管弦楽団と市民有志は、音楽の力による復興センターを立ち上げました。私たちを駆り立てたものは、過去の災害や戦争によって傷ついた人々の心を癒し、再生への力を与えてきた「音楽の力」への信頼と、このまちで音楽に携わる者としての使命感でした。


取るものもとりあえず急遽設立した組織ではありましたが、音楽を通して、震災の犠牲になられた方々を鎮魂し、ご家族や生活を失われた人々に寄り添い、地域再生のための希望の灯をともすことを目標に、被災地域に直接出向いて音楽を届けてまいりました。


私たちはこの活動から、「音楽の力」は被災者の心にも、復興のまちづくりにも極めて具体的なはたらきをすることを実感してきました。


                            リーフレット                         寄付依頼パンフレット
                  
今後も継続して音楽の力を東北の復興に役立ててゆくために、多くの方々のご賛同とご協力をいただき、2012年9月に「一般財団法人音楽の力による復興センター・東北」を設立し、2014年4月には公益財団法人となっています。


【活動】


①復興コンサート
仙台フィルハーモニー管弦楽団員をはじめとするプロの音楽家等がさまざまな場所に出向き、被災した方々の心に音楽で寄り添い、地域再生のための希望の灯をともすことを願っておこなわれる無料演奏会です。


②音楽と被災地をつなぐ
仙台フィルハーモニー管弦楽団や地元の音楽家にとどまらず、多くの支援者にとって開放的なプラットホームであることも重要な役割です。これまでウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の被災地支援、統廃合される小中学校の校歌のCD化等を関係団体とともに実現しています。


③東日本大震災復興祈念音楽ホール建設に向けて
地域の経済団体や音楽団体と協力し、国内外の音楽の力を東北の復興に役立てるため、また、震災復興のメモリアル施設としてクラシック音楽に優れた特性を持つホールを建設する機運を高め、音楽の拠点づくりに取り組んでいます。


④仙台クラシックフェスティバル(せんくら)
 仙台市の地下鉄路線を結ぶ各劇場で安価で気軽にクラシック音楽を楽しめる「せんくら」は、楽都仙台の秋の風物詩のひとつと言えます。当センターでは主催者の一員として、被災した方々をコンサートへ無料招待するほか、被災地の学校や音楽団体に呼びかけて演奏を披露していただく「街なかコンサート」などを担当しています。


⑤文化庁芸術家派遣事業
仙台市震災復興のための芸術家派遣事業実行委員会ならびに「次代を担う子どものための文化芸術体験事業」みやぎ実行委員会の一員として、県内の保育所や幼稚園、小学校などに、おもに地元で活躍するプロの音楽家を派遣し、子どもたちが生の演奏に触れ、音楽の楽しみに出会う機会を提供しています。


 


⑥文化芸術による復興推進コンソーシアム・東北センター
「文化芸術による復興推進コンソーシアム」は、文化庁長官(当時)等の呼びかけで2012年5月に設立されました。当センターは2014年4月からその東北センターとして文化芸術による復興推進のモデルとなる仕組み作りを担当しています。


⑦寄付および資金の受け入れ
これまで国内外の多くの方々から寄せられた浄財をもとに復興コンサート活動を展開させていただきました。これからもご寄付を呼び掛けるほか、長期にわたる活動を支える資金を継続的に確保してゆくシステムづくりに取り組んでまいります。また、東日本大震災復興祈念音楽ホール建設へのご寄付を受け付け、基金の造成と適切な管理運営をおこなっていきます。


【写真展 音楽の力-復興コンサート500回の記録-】


 


<日時>2015年11月12日(木)~12月3日(木) 午前9時~午後10時
<会場>日立システムズホール仙台 1階エントランスホール/3階ギャラリー
<撮影時期>2011年3月~2015年9月
<ボランティアカメラマン>佐々木隆二  大峡勝一  永井秀男  進藤弘融
<主催>公益財団法人 音楽の力による復興センター・東北
            日立システムズホール仙台(公益財団法人 仙台市市民文化事業団)


 


【感想】


「(公財)音楽の力による復興センター・東北」が実施してきました「復興コンサート」が今年9月に500回を迎え、『写真展 音楽の力-復興コンサート500回の記録-』を開催しました。代表理事の大澤隆夫さんから記録写真の説明を受けながら、復興コンサートの歩みを辿りました。


復興コンサートは東日本大震災の約2週間後から宮城県各地や福島、岩手両県の避難所や仮設住宅などで精力的に実施していました。


 


被災当時は、軽快な演奏ができる雰囲気ではなく「G線上のアリア」などの鎮魂歌が多かったようですが、時間の経過とともに元気が出る演奏ができるようになり、被災者が一緒に演奏したり、歌ったりするようになったそうです。


  


写真展から被災した演奏家が自ら被災地や被災者に寄り添ってきた活動の歩みを知ると共に、復興コンサートシーンを見れば見るほど目頭が熱くなりました。


 


復興コンサート500回は気が遠くなる回数であり、考えられない人力と多額な費用がかかる文化芸術による「心の復興」活動をボランティア精神でやり遂げたのです。「音楽の力による復興センター・東北」は、被災者と演奏者をつなぎ、音楽の力が人と人の心を紡ぎ、寄り添い続けた「心の復興」の金字塔だと思います。改めて人間の力、音楽の力、芸術の力の証と素晴らしさを再確認しました。


  


東日本大震災から4年9ヶ月が過ぎました。被災地の復興は道半ば、山のように積み上げられた防波堤と高台、そして、復興公営住宅の建設が進んでいます。仮設住宅からの高台移転は、ようやく慣れたコミュニティ形成が無くなります。阪神淡路大震災では復興公営住宅で孤立した人々の悲惨で悲しい現状を目の当たりにしました。これらを教訓に、今後も文化芸術の力は必要です。これまでの歩みを止めることなく音楽の力による「心の復興」をお願いします。