ご覧のページは、これまでのコンソーシアムのホームページを活用し、コンソーシアムの活動記録や資料等をアーカイブ化したものになります。

多くの活動ヒントを得て

文化芸術による復興推進コンソーシアム エグゼクティヴ・コーディネーター
渡辺 一雄

郡山の秋空


 去る3月に国立新美術館で開催されたセミナー会合で、近藤文化庁長官(当時)は、それまでの被災地(者)支援の芸術文化活動を関係者の努力を讃えつつ“点のレベルでいくつかの優れた取り組み、成果は見られるが、これをうねりに高めていくにはなお多くの時間と労力を必要とする“と評されている。


 今回の会議は、こうした過年度の「コンソーシアム」の調査研究を中心とする活動スタイルから上記前長官の総括評価をも踏まえ、実効性のある活動とするための上半期の反省と下半期の活動指針を引き出すプラクティカルなものにすべく事務局を始めとして周到な準備を重ねた。


“子どもの未来のために”をテーマに様々な意見が交わされた


 「支援・受援ネットワーク会議」と銘打ちながらそのもとで3つのセッションテーマを設定したのも、昨年来の調査研究結果や上半期における新設された「東北事務所」の活動の模索を踏まえ、またその後の被災地(者)の生活環境の変化や新たに胎動を始めた芸術文化活動(取り組み)の動向を反映して、よりリアリティーのある内容となったものと理解している。
 また、フロアーからの質問、意見、提案もそうした意図に応えて頂いた内容が多く、昨年に比してより具体性のある、被災地(者)支援に効果を発揮しうる可能性の吟味をも可能とする貴重なものがあり、今後のコンソーシアムの活動指針に繋がるものと評価している。


(左から)福島県文化センターの佐藤氏・いわき芸術文化交流館アリオス支配人の大石氏


 私が担当したセッション2では“子どもの未来のために”をテーマとし、福島県から二人の報告者のお考え・活動報告・問題提起を頂いた。奇しくもセッション1の“伝統芸能”、セッション3の“創造的発信”の半ばにあって、前者とはその「伝承・後継者としての子ども」、後者とは「未来の新たな可能性・創造力を担う人材としての子ども」との位置付けを頂いた。


 原発事故による放射能汚染からの避難という世界的に見ても厳しい環境のなかでその支援を得て逞しく生き延びて欲しいという期待を込めて、コンソーシアムはささやかながらも子どもたち向けの優れた芸術文化鑑賞の機会を始め、参加型の創造的活動支援の役割の継続に確信をもったところである。


 改めてご協力いただいた参加者に謝意を表するとともに、引き続きのご支援をお願いしたい。

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