レポート
「歌によるソーシャル・インクルージョン・イン・福島」ワークショップ 原町女声合唱団・藤原歌劇団


南相馬市のゆめハットで開催されました文化庁事業・社会包摂型若手オペラ等人材育成「歌によるソーシャル・インクルージョン・イン・福島」のワークショップに、文化芸術による復興推進コンソーシアムは制作協力と事業映像制作マネジメントを兼ねて同行しました。この日のワークショップは3月10日のコンサートに向けて、共演する藤原歌劇団と原町女声合唱団による合同練習です。
福島駅の改札口で、藤原歌劇団ご一行と合流して、ジャンボタクシーで南相馬市へ移動しました。私がインタビューする方法で、藤原の皆さん一人ひとりから自己紹介と声楽家になったきっかけなどをお話しして頂き、楽しい車中となりました。
ワークショップはまず、藤原歌劇団の仁科事業部長から藤原歌劇団の皆さんの紹介を行い、一人ひとりが独唱を披露することから始まりました。
メゾソプラノの平岩はるかさんは『私のお父さん』(ジャコモ・プッチーニ作曲)を披露、ソプラノの一條眞紗子さんは『からたちの花』(北原白秋作詞・山田耕筰作作曲)、テノールの正木庸平さんは『オーソレミーヨ』(ジョヴァンニ・カプッロ作詞/エドゥアルド・ディ・カプア作曲)、バリトンの別府信也さんが『荒城の月』(土井晩翠作詞・瀧廉太郎作曲)と続きます。
別府さんから『心の体を解放する体操』と声の響く理論の説明がありました。「音は堅い部分で響く」ので、顔の小鼻の脇に声を集めるようにして、小鼻の脇に指をあてて歌ってみる練習、高い声を出すときに重心を低くして膝を徐々に上げ下げする練習、腹式呼吸法などの指導が入りました。
他にもプロのテクニックが伝授されます。パートごとの歌声がズレてしまうとき、例えば1つのパートが「ポン・ポン・ポン・ポン」と歌う際には、みんなで弦楽器をつまびくようなイメージを持つと、揃えて表現することが出来るそうです。
作曲者は、作詞者の良い詩の部分をメロディーで引き出そうとしていることから、詩のイメージを考慮して、音符に強弱、クレッシェンドやスタッカートなどを付けて言葉の五感を表現していることを理解して歌うことが出来ると、より表現が伝わるようになるようです。
また、顔の表情が大切さについても解説がありました。例えば、「花は咲く」では、「思いだす... 懐かしい...」といったフレーズは、ほっこりした表情にする。他にも嬉しい、悲しい、喜ぶといったフレーズには、その表情をイメージして歌うことで、音楽の中で表情がそのまま声になっていきます。
指導された点が改善され、歌詞の意味をイメージして歌うことにより、演奏に表現力が生まれ最初に比べるとメロディーから画が見えるようになってきました。
ワークショップによって、全体的なバランスが良くなり、ハーモニーが美しく、本公演が楽しみになりました。被災支援公演から被災地の合唱団、そして演奏家にとって意義のある演奏会になることを願っています。

イベント名 | 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業(特色ある文化芸術活動推進) 社会包摂型若手オペラ等人材育成事業「歌によるソーシャル・インクルージョン・イン・福島」 東京二期会×藤原歌劇団 夢の共演コンサート |
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開催期間 |
2015年03月10日(火) 【開場】18時 【開演】18時30分 |
エリア | 東北エリア(福島県) |
開催地 | 福島県 |
会場 | さくらホール(南相馬市鹿島生涯学習センター) |
料金 |
有料 全席自由 500円 |
主催 |
文化庁|公益財団法人東京二期会 |
共催 |
公益財団法人日本オペラ振興会(藤原歌劇団) |
後援 |
南相馬市 | 福島県 | 福島民報社 | 福島民友新聞社 |
協力 |
文化芸術による復興推進コンソーシアム | 株式会社テンポプリモ | 株式会社リフコム会津 |